SNSでお店やサービスの情報を発信したいとき、「写真はあるのに文章が思いつかない」「X・Instagram・LINEで毎回文章を考えるのが大変」と感じたことはないでしょうか。考えているうちに時間が過ぎ、投稿のタイミングを逃してしまうこともあります。
生成AIは、この「最初の一文が出てこない」問題を解消してくれます。あなたが用意するのは、キャンペーンの概要や伝えたいポイントだけ。文章そのものはAIに提案してもらい、気に入ったものを選んで微調整する、という進め方が現実的です。
ここでは、個人経営のカフェが週末限定メニューをPRする場面を例に、SNS投稿文をAIと一緒に作る3つのステップとプロンプト例を紹介します。
1. 目的と読み手をセットで伝える
まずは、「誰に」「何を」「どんな雰囲気で」伝えたいのかを整理し、そのままAIに渡します。ここがあいまいだと、いくら文章を生成してもピンとこない結果になりがちです。
たとえば、近所の常連さんにも、新しいお客様にも来てほしい週末限定スイーツを告知する場合、次のようなメモを用意します。
・メニュー:いちごの週末限定パフェ
・対象:近隣に住む20〜40代の女性とファミリー層
・日程:土日の14時〜17時のみ提供
・数量:各日20食限定、予約不要
・雰囲気:気軽に立ち寄ってもらえる、やさしい雰囲気
このメモをそのまま貼り付けて、AIに投稿文を作ってもらいます。
例:「次の情報をもとに、カフェの公式アカウントで投稿するSNS用の告知文を作成してください。やさしく親しみのあるトーンで、80〜100字程度にしてください。」
さらに、「初めて来店する人に安心してもらいたい」といった補足を加えると、言葉の選び方が変わります。
例:「同じ内容で、初めて来店するお客様にも安心感が伝わるように書き換えてください。席数が少ないため、混雑時間帯にはお待ちいただく可能性があることも、やわらかく触れてください。」
このように、目的と読み手をセットで共有すると、AIの提案が一気に現場感のあるものになっていきます。
2. テンプレート化して「差し替えだけ」にする
一度しっくりくる文章ができたら、そのまま使い捨てにせず、テンプレート化しておくと運用がぐっと楽になります。商品名や日付など、毎回変わる部分だけを【 】で囲んでおきます。
さきほど作った投稿文を、テンプレートに変換してもらう例です。
例:「このSNS投稿文をテンプレートにしてください。【商品名】【日付】【提供時間】【数量】など差し替える部分を【 】で示し、そのままコピペして使える形にしてください。」
さらに、短めバージョンと少し長めのバージョンをセットで持っておくと、画像の構図や他の投稿とのバランスに合わせて使い分けられます。
例:「同じ内容をもとに、60字以内と120字前後の2種類のSNS投稿文を作成してください。どちらも、【商品名】【日付】【場所】が一読でわかるようにしてください。」
ハッシュタグも、毎回考えるのは意外と大変です。AIに「候補リスト」を作ってもらい、その中から自店に合うものを選ぶようにすると、迷う時間を減らせます。
例:「この投稿に合いそうなハッシュタグを、日本語と英語を交えて10個提案してください。カフェ・週末・スイーツ・家族時間といったテーマが伝わるワードにしてください。」
テンプレートとハッシュタグの候補さえ用意しておけば、次回以降は【商品名】や【日付】を入れ替えるだけで、数分で投稿文を用意できるようになります。
3. 媒体ごとの“言い方の違い”を任せる
同じ内容でも、X・Instagram・LINE公式アカウントでは、反応の良い文章の雰囲気が少しずつ違います。ここを毎回自力で調整しようとすると負担が大きくなりますが、AIに「媒体ごとの書き分け」を丸ごと任せることができます。
たとえば、1つのイベント情報から、3媒体向けの文章を同時に作ってもらうプロンプトは次のようになります。
例:「このカフェの週末イベント情報をもとに、X用・Instagram用・LINE公式アカウント用の3種類のSNS投稿文を作成してください。
・X用:70字以内で、ややカジュアルな言い回し
・Instagram用:150〜200字で、世界観が伝わる文章
・LINE公式用:丁寧で読みやすく、友だち登録しているお客様に送る文面
になるように書き分けてください。」
画像の代替テキスト(画像が表示されない場合の説明文)も、AIに任せることができます。
例:「いちごのパフェの写真に添える、画像の代替テキストを1文で作成してください。視覚に障がいのある方にも美味しさと雰囲気が伝わるように説明してください。」
媒体ごとの「言い方」をAIに任せることで、あなたは「どんな写真を撮るか」「どのタイミングで投稿するか」といった、本質的な部分に集中できます。
SNSの文章づくりをAIに手伝ってもらうコツは、「ゼロから完璧な文章を出してもらおう」としないことです。目的と読み手を共有し、テンプレートを育て、媒体ごとの言い方の違いだけを任せる。そう割り切ることで、発信のハードルが一気に下がります。
次にキャンペーンや新メニューの告知をするときは、メモレベルで構わないので情報を箇条書きにし、「この内容をSNSで告知する短い文章にしてください」とAIに投げてみてください。短い文章を一つ選んで少し手直しするだけでも、「投稿しないまま終わる」状態から一歩抜け出せるはずです。
