2025年も継続して実施されている、小規模事業者持続化補助金。最新の公募要領とスケジュールが順次公開されています。この「小規模事業者持続化補助金」は比較的採択率が高いことから、はじめて補助金を申請しようとする人にとって、ハードルが低い補助金です。
今回は、そんな小規模事業者持続化補助金の基礎について、事例を交えまとめました。
現在募集中の公募をステップにして、商品開発や事業基盤の強化をおこない、事業の見直しに向けた準備を進めましょう。
小規模事業者補助金とは、小規模な事業者の販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するための補助金で、「インターネット広告を出したい」「新たな冷蔵庫を購入したい」といった場合に使うことができます。
要件が複雑かつ採択のハードルが高い事業再構築補助金やものづくり補助金などに比べ、小規模な事業者や創業期の事業者、個人事業主も使いやすい制度となっています。
「小規模事業者補助金」という名の通り、補助の対象は従業員の数が5人ないしは20人以下の事業者のみとなります。以下に該当する法人、個人事業主、特定非営利活動法人が対象です。
なお、個人事業主、フリーランスの場合は、申請までに開業届の提出をおこなっていることが条件になります。
小規模事業者補助金は大きく分けて、(1)通常枠と(2)特別枠の2つの枠があります。通常枠、特別枠の「いずれか1つの枠」のみ申請可能です。
補助率は2/3で、補助上限は50万円です。後述する「特別枠」の各条件に当てはまらない場合、基本的にこちらの枠にて申請します。
補助率は基本的に2/3で、補助上限は200万円です。特別枠は、さらにいくつかの型に分かれています。
| 類型 | 対象 |
|---|---|
| 賃金引上げ枠 | 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+50円以上にする事業者。 例)東京都最低賃金 1,163円(25年時点想定)→ 1,213円/時間以上 |
| 卒業枠 | 雇用を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する事業者。 |
| 後継者支援枠 | 申請時において、中小企業庁主催の「アトツギ甲子園」のファイナリスト又は準ファイナリストになった事業者。 |
| 創業枠 | 産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を過去3年以内に受け開業した事業者。 |
インボイス特例の適用について
免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する事業者は、一律で補助上限額が50万円上乗せされます。通常枠なら最大100万円、特別枠なら最大250万円となります。
これまでの採択率は平均で約60.0%です。比較的採択率が高いとはいえ、ポイントを押さえた申請が大切です。いくら要件が合致していても、第三者から見て事業計画書の内容が分かりづらい場合は採択されることは難しいでしょう。
<これまでの採択率の推移(一般型)>
対象となる経費は基本的に「広報費」と「機械装置等費」がメインとなります。ECサイト構築を含む「ウェブサイト関連費」は、補助金交付申請額の25%が上限となる点に注意が必要です。
テイクアウトを始めるにあたり、販売システムの構築や告知が必要になります。利用者がネットで事前に注文し、来店時すぐに受け取れるような流れを想定します。
手作りの雑貨を実店舗のみで販売していましたが、ブランドの世界観を反映したECサイトを構築し、全国へ販路を広げる事例です。
小規模事業者持続化補助金は、身近な販路開拓に活用できる非常に使い勝手の良い制度です。しかし、採択されるには「実現可能で魅力的な事業計画」を論理的に示す必要があります。
株式会社樫乃屋では、自社が各種補助金の対象となるか知りたいという方のご相談を随時受け付けております。賢く活用して、企業を着実に成長させていきましょう。